▼ 「持たない生き方」について書いたのは断捨離やカーシェアが始まった頃だった。しかし、持たないのはもはや車や家だけじゃないらしい。
 
▼ 2000年にAmazonをprimeで使い始めたので、その後リリースされたprime videoやAmazon music、kindle unlimitedはしばしば使う。一方で、ただ、必ずしもタイトルが揃っていなかったりすることも多く、補助的な使い方だった。
 
▼ が、この連休、久々にAmazon music(無料の方、unlimitedではない)を立ち上げて驚いた。TSUTAYAなどではもはや借りることのできない懐かしいアーティストの旧盤が無料で聞けるのだ。
 
▼ 青春時代にオフコースを聞いた世代であれば、小田・鈴木デュオの名盤「僕の贈り物」「秋ゆく街で」「僕の贈り物」から、5人編成バンドの「Three and Two」「We are」「over」「I love you」「next」と聞くから意味がある
(ちなみに並べると『三人と二人/私達は/終わった/愛してます/そして次は』とオフコース解散の暗号になる)。しかし、そんな古いアルバムはない。
 
▼ ところが、Amazon musicにはあるんだなあ。MP3かAACで256kbpというので、通常なら十二分な音質。外で聞くには高いパケット通信費の問題があるが、無料wifi環境があるところでは全く問題ない。中古CDを漁る必要もない。漁る必要があるのは古本くらいになった。それもAmazonのマーケットプレイスで探せるが。
 
▼ 前川つかさ氏の書いた「大東京ビンボー生活マニュアル」という漫画にあこがれている。主人公は四畳半の古びたアパートで家財道具は殆ど持たない。気のままに生きる若者だ。ほとんどのものは「隣の学生」から借りて済ます。ハードは持たないのだ。
 
▼ あれから30年少々。ソフトも借りるどころか、年間某化の会員料(prime年会費)さえ遅ればいくらでも手に入れられる時代が来た。ソフトでさえもプラットフォームの「添え物」になった時代。喜んでよいのか、悲しむべきなのか。