▼ 人手不足だとどの産業、企業も悲鳴を上げている。一方で、若い戦力を育成するのに四苦八苦もしている。確かに彼らはすぐに止めるし、病む。働き方改革で、ビクビクしながら教育しなければならない管理職、経営者は傍で見ていて可哀想で仕方ない。犠牲者は若者ではなく、彼らなのではないか?。
▼ SNSの発展は異常なほどだ。先日、NHKでインスタグラムの話をやっていた。いわゆる「インスタ映え」。でも、その根底にあるのは汚泥のように若者の心に溜まる「承認欲求」だ。承認欲求が歪んだ形で出てきて、それを商売にするSNSがあり、また「そこに乗らなければ」と考える企業家がいる。そして、それはさらに彼らの承認欲求を歪ませる。その結果が、今の戦力育成の四苦八苦だ。自分で自分の首を締めている。
▼ SNS漬けの日常で、抑うつ症状やパニック障害になる人が増えているという。SNSには生きていくうえで受け入れなければならない苦悩は綴られない。ただただ、「リア充(リアルに充実した人)」の生活があるだけだ。友達との楽しい遊びの風景、新しい家族の誕生、パーティー、子供が素晴らしい学校に合格した…..笑顔笑顔笑顔。
▼ でも、生きていくっていうのはそんなキレイなことは5%しかない。95%は割り切れない思いと会社や学校に行く重い足取りと自営業者は資金繰りを今日どうするか、そんなことが5%を支えている。その5%だけで世界は出来ていると見せることで、若い世代はどんどん洗脳されてしまった。
▼ 暴論かも知れないが、未成年にSNS禁止令を出せ。社会はそんな綺麗事の社会じゃない。手と足を血まみれにして、プライドもズタズタになりながら、這い上がる以外に生きていく道はない(一部「堕落論」から借用)。ステージで手を振るかわいこちゃんアイドルだって、無愛想なもつ焼きのオヤジだって、自信満々で商品をすすめる営業マンだって、みんな寝ないで、苦しんで、そして学んできたから、今があるんだ。
▼ 僕は研修や育成というものに携われる立場にはない。だから言えないし、言わなくて住んでいるのだけど、言えるならば言いたい、「甘ったれるな。てめえにどれだけのゼニの価値があるか、一回乳母日傘の現状から出てみやがれ」。そんなことを思うことが増えた。