▼ 「商売のために不安をあおり立てるのがメディアとアナリストの役目」と書いておいてネガティブなことを書くのは気が引けるのですが….。どうもデフレ再来のような気がして仕方がない。
▼ アベノミクス三本の矢で、一の矢の金融政策は日銀が金利ゼロまでやってしまったのでもうネタはない。二の矢の財政政策も同じ。で、三の矢の個人消費と設備投資は実質マイナス成長だとわかってしまった。
▼ 1-3月GDPの個人消費こそ見かけプラスだけど、閏年効果を除けば横ばいなので実質GDP成長はマイナス。2四半期マイナス続けば景気後退局面なので、「今は景気後退局面」である。
▼ 外食は閉店した店が多いことから決して客数は悪くないと思っているのだけど、確かに5/25日経に書いているように価格面では上がっていない。大好きな吉野家の豚丼も確かに安いし。
▼ 加えて最近気になるのは100円ショップだ。文房具を多く買うことが多くなり、以前はアスクルやらアマゾンやらを使っていたけど、紙のような重量物以外はすべて100円ショップに買いに行くようになった。ここに行くと、文具メーカーのファイルやプラスチック製品が如何にぼったくりかわかろうというものだ。とにかく安い。MONOの消しゴム五つ入りで100円だ。
▼ デフレを証明するのは何と言っても金利。仕事柄、個別株式や債券、ETFでは運用できないので、我が家の運用は唯一、普通預金です。我ながらばかげていると思いつつも、こんなに設備投資や消費意欲が低い中でインフレが起こるわけもなかろうと思い、普通預金に放りっぱなし。聞くと会社の同僚でも同じことをしている者が少なくない。「だったら定期預金に預けりゃどうだ」と言われそうだが、流動性を犠牲にするほどの金利でもない。
▼ 景気と言えば、どうもサービス業の調子がよくない。馴染みの酒場のマスターもお世話になっているマッサージの先生も、はたまたタクシーの運転手さんも口をそろえて言うのは「三月以降、いつもならば戻ってくるはずが客足が全く戻らない」。パナマ文書やら富裕層やら爆買いやら色々と景気の良い話が出ているはずなんだが、、、、。まぁ、トクしているのは一部の人だけか。
▼ 言われてみれば近所で家を潰して売りに出して新しいのが立つ工事が多いこと。ふと思えばマンションも一時の青田買いが終わってきたように思う。売れ残りが多いのだろう。
▼ 燃費測定で問題になった三菱の当該軽自動車は新古車で70万円台まで値段が下がっている。ということは、どうも余剰在庫が次の問題になってくるようだ。尤も、だからこそ生産を控えていて、それで設備投資が減っているのだろうけど。
▼ デフレ再来か。とはいえ、若い世代は結構楽しくやっているようだ。ゆとり世代、就職氷河期世代はモノをほしがらないので十分それで楽しいらしい。むしろ我々世代がout of date世代になっているのかもしれない。そもそも「永久成長率」なんて概念でディスカウントキャッシュフロー方式で企業価値を算定していること自体が彼らにとっては受け入れがたいかもしれないしねえ。
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