▼ 新聞を三週間分溜めてしまった。細かいことを今さら読んでも意味がないから、新入社員時代に先輩に教えて貰ったことだけやる。「記事は読まなくて良いから、下段の広告だけ読め。特に雑誌と本の宣伝はしっかり読め。」。しごかれたけど、有り難いtipsが数多く頂ける良い時代だったなあ。
▼ さてさて三週間分読んで思ったのが、「あとからいうな」。こう毎日毎日ニュースが多くちゃ忘れてしまいがちだけど、流通業界であの方の退任の話は、まぁあっちゃこっちゃのテレビや新聞で取り上げられた。それから二週間して、雑誌に書けるだけの記事が集まったらしく、一斉に特集記事だ。曰く「カリスマのなんちゃら」「同族経営のうんたら」「息子をどーたらする独裁者のなんたら、ええーい、うるさい!。
▼ そんなことは100年も前から記者は知っていたじゃないか。アナリストだって知っていたじゃないか。ただ、書けなかった、言えなかっただけだろう。膨大な広告宣伝を出稿してくれ、大事なIR情報を得るために相手を怒らせては損だから。
▼ 僕自身はヒネクレ者だから、その会社からはあえて距離を置いてきた。強い会社を褒めるなんてつまんないじゃないか。でも、それはignore(無視)してきたわけじゃない、常にrespect(尊敬)はしてきた。長きにわたって自分の新年を貫き続けて、数字という冷徹なもので結果を出すのは並の人間にできることじゃぁない。
▼ その並の人間にできないことをしてきたヒトも凄ければ、いろいろあったけど、そのヒトによってもたらされた不愉快なことも丸ごと飲み込んできた創業者も凄い。創業家が中興の祖を切ったとかなんとか書いてあるけど、僕は並外れた能力のある経営者が静かにバットをおいて、晩節を汚さなくて済んだことに実はホッとしている。
▼ 閑話休題。年を食って、後づけで物事はなんとでも言えるということを感じるようになった。真実はもやーっとした漠然と懐疑の中にある(会議、じゃない)。アナリストという仕事はとても得難い経験をさせてくれたけど、ひとつだけ恥ずかしいのは「後づけ理屈」を得意げに話してきた自分の姿だ。穴があったら入りたいけど、この体型では入るところもありゃしない。
▼ ネット掲示板を読んでいて好きなことばが「おまいう」だ。「お前が言うな」という批判、嘲笑の言葉だ。そう「おまいう」。メディアにも自分にも今、言おう。
- ひとにやさしく
- ケツを拭く人間