▼ コンビニ再編が突如として加速してきた。日本製フランチャイズ事業として、世界的価値を持つコンビニ。しかし、いよいよ「屈曲点」が来たようだ。
▼ フランチャイズ事業の最大の強みは、一つのビジネスモデルを大量に速いスピードで展開できること。そして、何よりも人事労務管理、人件費負担などを本部が直接関与しなくて良いことだ。
▼ しかし、良いことずくめではない。それが今回の再編の背景にある。直営事業は確かに展開スピードが遅い、人材育成も資金調達もすべて重い負担。だが、全ては自社が雇用している。登場人物は、経営陣、正社員、パートアルバイト、そして顧客とシンプル。
▼ フランチャイズはそうじゃない。ここに「加盟店」という「別の顧客」が係わってくる。契約しているから加盟店は従業員….じゃない。お客様だ。良い商品、良いノウハウ、良いサポートをロイヤリティの代わりに提供しなければそっぽを向かれる、お客様なのだ。
▼ でも、この「お客様」に対する日本のフランチャイズ制度のあつかましさはどうだ。本部と加盟店は契約を通じて対等であり、win-win関係なのじゃないか。それがどうして、こう欧米のフランチャイズ契約に比べて加盟店が不利なのだ。
▼ 過去のコンビニ訴訟を手放しで応援しようとは思わない。契約の意味をはき違えている加盟店もたくさんいる。それへの対応に本部が苦慮していることも事実だ。ならば、このへんで、今一度お互いの関係を見つめ直してはどうか。
■ コンビニは間違いなく、日本における重要なインフラであり、グローバルに展開できる数少ないサービス業態だ。だからこそ、今のアンバランスな本部と加盟店の力関係で、今後、加盟店がいなくなってしまうことを僕は危惧する。