▼ 中間決算のまとめ資料を持って、先週から全国巡業。今回の主張は以下の三点。
(1)ここ数年、隆盛を誇ってきたコンビニとドラッグストアの急速な減速、
(2)逆風を受け続けてきたスーパーでも経営が安定している企業の好業績、
(3)客数減少・客単価上昇に対する業界の2巨人の解釈の違い。

▼ (1)は正確に言えば、コンビニは「上位企業への集約」から「一強他弱」への変化。セブンイレブンはやはり強い。年間1600店もの出店投資をして、新しいエリアに進出し、新商品を開発しても業績を伸ばせるのは驚異。ローソンは増益ながら店舗増加数はセブンの半分で、かなりの部分が他チェーンからの乗り換えなので、迫力は若干不足。三位以下は厳しい決算です。

▼ (2)具体的企業ではヤオコー、ベルク、いなげや、マルエツ、オオゼキ、イズミなどなどの業績好調。共通点は、一見首都圏展開なんだけど、僕的には「従業員が安心して現場に取り組める経営の安定性」。経営承継や仕組みの出来上がり方や経営者の交代など背景は色々とあるのですが。

▼ (3)いずれの業態も客数減少、客単価上昇ですが、7&IHDの経営トップは「潮目は変わった。競合や選ぶ自由をもった顧客は容易には物を買わない。クオリティファーストしか、目を超えた顧客に訴求する道はない。100円コーヒーで買ったなどと浮かれていたら、足元すくわれるぞ」と説明会でコメント。逆にイオンの経営トップは「円安原価高、消費税、人件費アップでメーカーは量目減らす。しかし、若者はより安い賃金で働かねばならない時代。そこに同じ価格で同じ量目を販売するのが小売業者のミッション。だから、スケールメリットを否定しない」。いずれも正しい。今年の中間決算は考えさせられるコメントのオンパレード。