値上げはぜんぜん考えぬ
年内値上げは考えぬ
当分値上げはありえない
極力値上げはおさえたい
今のところ値上げは見送りたい
すぐに値上げを認めない
値上げがあるとしても今ではない
なるべく値上げは避けたい
値上げせざるを得ないという声もあるが
値上げするかどうかは検討中である
値上げもさけられないかも知れないが
まだまだ時期が早すぎる
値上げの時期は考えたい
値上げを認めたわけではない
すぐに値上げはしたくない
値上げには消極的であるが
年内値上げもやむを得ぬ
近く値上げもやむを得ぬ
値上げもやむを得ぬ
値上げにふみきろう
▼ この歌は1971年に作成された高田渡の実質的なファーストアルバム「ごあいさつ」に収録されている。経済成長がまだ続く中、インフレで値上げが常態化する中、ある政治家の発言を「値上げしない→値上げする」に移行する様を歌にした傑作である( 御興味ある方はこちらをどうぞ https://youtu.be/Mvr0oHQ8M6g )
▼ 平成バブル以降、長きにわたるデフレになれきった私の同世代は、最近の動向でこの曲を思い出すようだが、明らかに違う点が一点ある。それはこの政治家の発言(本当の発言を編集したのか、高田渡の創作かはわからないが)どころではないスピードで値上げが進んでいることだ。言うまでもなくCOVID-19によるサプライチェーンの混乱にウクライナ侵攻があいまってのことだが、不気味なのはエネルギーに食料品に、そして現代の産業のコメである半導体が対象であることだ。
▼ 非正規労働者×賃金据え置き×生活必需品値上げ=生活者の困窮であり、先日のイオンの値下げ・値段据え置き宣言はそれへの対抗策だろう。しかし、ウイルスに戦争という異常事態にどこまで耐えられるのか。そして、値上げをしたとしても果たして製造業と小売業は収益低下分をカバーできるのか。言いたくは無いのだが、つくづく日本が国力増強ということを考えない無気力国家になっていることを感じざるを得ない。「トー横キッズ」をワイドショーは嘆くが、その原因を作ったのはまごうことなき、今の大人達なのだということを感じざるを得ない。