▼ 振り返れば二年間強、落ち着いて人と会って話をすることも食事をすることもできなかった。だから、まん延防止策が解除された今、殆ど毎日誰かとランチや飲み会をしている。
▼ 昨日はちょっと遠いところからの経営者の方とランチ。この方はコロナ期間中にオンラインで知り合ったので、お互いにリアルに会うのは初めてで感激もひとしお。テンションがずんずん上がっていく自分を感じる。
▼ 名刺交換をして「あー、こういう名刺のデザインなんですねー」と笑い合い、「ままま」と座ってお水を飲んで彼が言った最初の言葉が今回のタイトル「なんで東京はこんなに空いているんですか?」。思わず、「うっ」と声に詰まる。だって、まんぼうが明けてから街には若者やカップルや家族が戻り、桜の季節には公園を散策する人で一杯で、「やー、やっぱりみんな外に出たかったんですねぇ」と友人と先週末に話したばかりだったから。
▼ でも、確かに今日のランチのために新宿駅におりてアルタスタジオのビルの前に出たら、人はまばらだったし、紀伊國屋書店は開店したばかりだとは言え、お客さんは数えるほど。うん、そうだ、伊勢丹の地下の食品売り場も、相変わらず素敵においしそうなものばかりだと感動してみていたけど、考えてみれば伊勢丹の食品売り場でショーケースの商品が見えること自体がめずらしい。だって、ショーケースの前はお客さんで満杯で、通路を歩くのもままならないのが普通だったのだから。
▼ 変化を見るときにどこの時点を起点に見るかが大切だということを改めて実感した。ガラガラの東京の繁華街を見慣れた自分にとっては今の東京はお店も開き、飲食店だって人が入っているように見える。でも、二年前の東京から今の東京を見た人にとっては「なんでこんなに誰もあるいていないの?」だ。高かったテンションがじわじわと収まっていくのを感じる。
▼ 夜は夜でこちらも久々の友人との飲み会。ちょっと郊外の飲み屋が一杯の街で再会を祝そうと店を探す。さすがに17時からは開店してないかと思ったら、なんと16時からとか14時からとか開店している店があちこち。でも、、、、、、確かに客は入っていない。まずはビール、おつまみ、おしゃべりとふと気づくと二時間。おうおう、こんなに話すことがあったのかとふと周りを見回すと客は我々ともう一組だけ。しかも帰り支度だ。19時だよ、若者諸君、もう帰るのかい?。
▼ 帰りの電車は当然のごとく座れる。ランチを一緒した経営者は羽田から新宿に来るまで、すべての電車で座れたことに驚いたそうだ。山手線含めて。そうだ、まだまだ、消費も景気も経済活動も何も回復していない異常事態は続いているんだ。改めて気づく昨日だった。