・ 日本新党が分裂した。代表だった亀井静香さんは党員から解任されるという、クーデーターのような形で離党した。わたくし自身は亀井さんのお考えにはあまり同意できるものではないのだが、離党会見には大いに同情した。それは多分、似たようなことを産業調査の世界で感じているからだろう。
・ この半年、経営者がお話をする際にほとんど絶対といっていいくらいコメントするのが「人材不足」」だ。我が社には人材がいない、士官がいない。そのために社長塾を造り、創業者精神をたたき込み、、、、、と話は続く。
・ しかし、問題は人材がいないことではないだろう。既得権益を守っている人間が会社にぶら下がり、それらが滞留することで新時代の血を生かせなくなったことだ。頭がつっかえれば、組織の関係上、そこを超えて何かすることは事実上不可能だ。根本解決はぶら下がりにお引き取り願うしかない。トップはそうした「お引き取り」をスムースに受け入れて貰うための経済処遇環境や「メンツ」の環境を整えることだ。
・ 勘違いしちゃいけないのは、ぶら下がっている人は組織の功労者であったことだ。彼らがいたから、今の組織がある。そのレスペクトは忘れてはならないし、レスペクトを経済価値できちんと測定し、態度で示すことは重要。ただ、時代が変わる中、成長ステージが変わることで、これまでの人材では新しい時代に対応できなくなってしまっていること、それは認めなければならない。より精度の高い作業のできる工作機械を入れない限り、新しい商品は作れない。
・ そして自分もまた「ぶら下がり」「抵抗勢力」「邪魔者」になっていないかどうかを常に考え、要請されれば今の場所から退場せざるをえなくなるかもしれないことを覚悟しながら生きていくこと、それしかないのじゃないか。