《 金言三つ 》
 年度の変わり目ということで、自分の歩んでいる道が脇に逸れていないか、親しく尊敬する友人に相談してみた。そこで貰ったアドバイスは、いずれも目が覚めるような金言だったので、己への戒めも含めて、ここに記したい。

(1)人生はグライダー
 「離陸するためにスロットルをフルに開けて、大空に飛び立つのは重要だ。しかし、十分な高度に達しているのにフルスロットルでエンジンを回すのは無駄でしかない。むしろ、翼の面積を広げてグライダーとして滑空することを考えるべき。
 にもかかわらず、あなたはなんとかかんとか食えるという高度で滑空できているのに、エンジンを回し続けている。緊急時に使えるガソリンが減るだけだから、おやめなさい。」

(2)結論を急ぎすぎない
 「色々なことを色々な角度から考えることは結構だけど、結論を急ぎすぎてはいけない。あなたはどうもせっかちだ。すぐに結論を出そうとする。気持ちを今の半分か、三割の水準までゆっくりとしなさい。意志決定が早いことと拙速は違う。」

(3)面白いか、昨日より学んだか
友人「あのさぁ、仕事とか生活は面白い?」
私 「嫌なこともあるけど、総じて面白いなぁ」
友人「じゃ、なんていうのかな、昨日より今日の方が何か学んだなぁって思うこと多い?」
私 「年食った分、覚えは悪くなったけど、気づきは増えた。だから、『今日も学んだ』感は強いなあ」
友人「んだったら、いいんじゃない?。幸せな人生だと思うよ。」

 (1)と(2)は私の性格をよくご存じの先輩友人からの助言。(3)は野村総研時代の同期(今は別の企業に勤務)からの助言。特に(3)は、心の中で感じたモヤモヤも「ああ、これは今日の学んだ教訓なのね」と思うと得した気分になれます。お試しを。

《 明珠在掌 》
 私の好きな言葉です。「みょうじゅ、たなごころにあり」と読みます。禅語で「あなたの欲しい宝物は既にあなたの掌の中にあるのに、なぜ気づかないのですか?」という意味です。

 先日お会いした経営者の方は、実家に残った莫大な借金と信じられない高額な支払い金利、そして顧客と取引先からの信頼喪失の中で、毎日毎日毎日毎日、会社の人に辛く当たっていたそうです。そんな時、業界他者の年長経営者に怒られた言葉、「何を言っているんだ、君には君についてきてくれる従業員がいるじゃないか!」。

 そのエピソードを聞いて、「明珠在掌」だなぁと痛感しました。そして私もまた掌にある「明珠」の存在をついつい忘れがちになると反省しているところです。

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