まことにマヌケなタイミングのご挨拶ではありますが、「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。」
今回のメールメッセージ、当初は3日にお送りしようと考えていたのですが三が日開けはさすがに業務のお邪魔であろうと。それで、第一号は翌週の10日にお送りすることで予定しておりました。
ところが、なんと日頃の行いの悪さで10日は自己最高記録39.9度の熱を出しまして、床の中で唸っておりました(涙)。幸い、手元にあったタミフルを飲んだところ11日は熱が下がったのですが、インフルエンザであれば出社不可というのが弊社のルール。12日も病欠をとって病院で診断していただいたため(幸いウイルスは検出されず)、図らずも傍目には四連休ということになりました。一部の心優しい後輩からは、「佐々木さん、本当に熱、出てたんですかぁ?」と有り難いニヤニヤ笑いを頂戴いたしました。これもまた日頃の後輩への接し方が良いせいであろうと一人、涙を呑んでおりました(笑)。
そんなわけでありまして、新年ご挨拶並びに新年初のメールメッセージが遅れましたことをお許し下さい。
さて、本日の本題。
年末年始も色々なお話しを伺い、またお店も拝見いたしたのですが、「小商圏対応」という言葉がキーワードとして色々な場面で登場したことが強く印象に残っております。
わたくしが申し上げるまでもなく、大店立地法前の頃より大型SCの出店が急増してCSC、RSCがかなりの数できたわけですが、一方で最近は景気環境もあり、テナントの退店&空床増加がデベロッパーの悩みの種であることは数回前のメールメッセージで申し上げた通りです。加えて、近隣型SC(いわゆるNSC)型での商業集積の増加も同時進行で増加してきました。その中で出店余地を拡大したのがSSM(スーパースーパーマーケット)であり、ドラッグストア、100円均一ショップ、そしてカジュアル専門店であったように思います。
逆に300~400坪程度までの食品スーパーや1980年代開店のコンビニエンスストアは、その駐車場台数の少なさや商圏変化のため、閉店、退店の対象でありました。事実、この10年間のコンビニエンスストアの成長は「真水」の出店に加えて、「スクラップアンドビルド」が成長の原資であったと言えます。
ところが、この古いと思われている立地が「小商圏化」の宝の山になるかも知れないというお話しをあちこちでお聞きしたというのが、今回の「小商圏対応がキーワード」という意味です。
具体的には、(1)売り場面積300坪で来店手段は徒歩か自転車(自動車客は想定せず)の年商10億円SM、(2)チャージ率低減と個店仕入れを容認したコンビニエンスストア、といったフォーマットの確立ができるのであれば、かなり広範な出店余地を持った小商圏対応ができるのではないかということです。
もちろんこれらは容易ではありません。(1)であれば300坪で10億円という年商を維持できる品揃えの確立と生鮮三品の加工物流をどうするのかという課題が立ちはだかります。(2)であれば低減したチャージ率を何で補うのかという本部収益の本質問題に突き当たりますし、個店仕入れを容認した場合の商品マスター、システムへの連動の煩雑さと品質の安全性という問題が出てきます。
ただ、(2)で言えば、実際に粗利益率チャージ換算で10%程度のチャージ率を維持する代わりに、商品供給で収益を確保しているチェーンは存在します。個店仕入れもある程度のシステム上の「ゆるさ」が容認できるならば大問題ではありませんし、逆にそれを個店仕入れが取扱いの難しい生鮮品や地域性商品の拡充につながるケースもあり得ます。
むしろ問題は不動産費であるのかもしれません。「幸いにして」(笑)、スクラップアンドビルドに乗り遅れた店舗であれば不動産費は格安でしょうが、一度手放した旧立地を再び手に入れようとすれば重い賃料負担が残るでしょう。その意味でも、「収益性を実現できる売上or粗利益額を実現できる」小商圏対応フォーマットが必要なのでしょう。
かように決して簡単な話ではないことは承知のうえで、それでも人口閑散地域での「小売店不足」や、逆に都会の都心部での「小売過疎地域」を見ると、チャレンジしてみる価値は十二分にあるのではないかしらんと思うケースが年末年始の調査活動の中では多かったように思います。いかがでありましょうか?。机上の空論でありましょうか?。今年、ゆっくりと考えて見たいテーマのひとつであります。